・ディプロマットを使用した屋根カバー工法とは
最近では屋根カバー工法での工事もスタンダードとなってきてます。
屋根カバー工法とは、いわゆる屋根の葺き替えではなく重ね葺きをするもので、今ある屋根の上に防水シートを張り、その上に新しい屋根を張り替えるというものです。
つまり、古い屋根の撤去を行わず、下地を直す作業も行わないので、葺き替え工事よりも費用が抑えられ、短期間での施工完了となります。
しかも、工事中に雨漏りする恐れもないため、近年屋根カバー工法での屋根改修工事の重要が高まっています。
しかし、古い屋根をそのままにして屋根の改修工事を行うので、すべての建物で使える工法ではありません。
屋根カバー工法ができる建物の要件として、5つのことがあります。
1つ目は、現存する屋根の傷みが激しくない場合です。
2つ目は、屋根の下地の傷みが激しくない場合です。
3つ目は、現存する屋根が屋根勾配に適した屋根材が使用されていることです。
4つ目は、すでに屋根カバー工法での施工がなされていないことです。
5つ目は、瓦屋根ではないことです。
屋根カバー工法の作業工程や価格を知ると、メリットしかないように思われますが、デメリットもあります。
それは、屋根がどうしても重たくなるということです。
屋根が二重になるので、それは避けては通れない道です。
屋根が重たくなることになんのデメリットがあるのかというと、地震の際に揺れやすくなることや、柱や壁に負担がかかることです。
そこで屋根カバー工法を行う際には、ディプロマットを使用も考えられます。
ディプロマットとは、アメリカのカリフォルニア州で生産されている屋根材で、ジンカリウム鋼板を基材としてつくられている高耐久屋根材の1つです。
素材としては、錆に強いと言われているガルバリウム鋼板と同じ組成であると言われています。
日本では最近注目されるようになった屋根材ですが、欧米ではすでに40年以上の歴史があり、世界各国で幅広く使用されています。
ディプロマットの特長は、軽いのに強いということです。前述した通り、屋根カバー工法をすると屋根が重たくなりますが、ディプロマットは軽いので重さを軽減できます。
それによって耐震も期待できます。
また、雨風に強いという特徴もあることから、台風や自然災害の多い日本にも適した屋根材であると言えます。
さらに、ディプロマットの表面には、自然石粒があります。これは、日本でいう陶器瓦と同じ釉薬で色付けされているので、見た目の美しさを保てます。